どの職場でもある問題ですが、保育士も同じです。「保育士を辞めた理由」で最も多い理由が「職場の人間関係」です。東京都福祉局「平成30年度東京都保育士実態調査報告書」では、「職場選択時に重視した項目」で「勤務地」72.3%に次いで「職場の人間関係」51.9%(※)となっています。この数字を見ると人間関係で悩んでいる保育士が多いことがわかります。
保育士は人間関係でストレスを感じやすいのでしょうか、問題点や対策を紹介します。
※参照元:東京都福祉局「平成30年度東京都保育士実態調査報告書 | 調査結果詳細」 (https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo//shikaku/30hoikushichousa.files/430chosakekkashosai.pdf)
保育士が悩みやすい人間関係には、「保育士同士の関係」や「保護者との関係」があげられます。
近年は男性保育士も増えてきています。とはいえ、全体的に見ると保育現場はまだ女性の割合が高く、どうしても同性同士の問題が起こりがちです。相談できる先輩や同僚がいればよいのですが、職場の風通しがよくない、相談しても改善されないとなると耐えるしかありません。誰にも相談できず孤独を感じ耐えきれなくなって辞めていく人もいます。
【例】
価値観が違ったり、気遣いができなかったりすると、裏で愚痴を言われるようになることもあり、ストレスに感じる保育士もいるでしょう。
また、保育士は複数担任で部屋をまわすことが多く、「話したくないから話さない」というわけにはいきません。そのため、「めんどくさい」「もう限界」と感じて辞めてしまうことが考えられます。
保育士1人で数人の園児を担当しているのがほとんどですので、業務は多忙で個々への負担が大きく神経を使います。保護者との人間関係に悩んでいる保育士もいるようです。自己中心的で理不尽なクレームや要求をしてくる「モンスターペアレント」の対応に疲れ、退職を検討している人もいます。
保護者とのコミュニケーション不足で信頼関係がきずけていないこともあります。コミュニケーションがうまく取れていないと話し合いで解決する問題も大きな問題に発展してしまうケースがあります。
対処法としては保護者の意見に耳を傾け、話を途中で切らずに最後まで聞く。できないことはできないとはっきり言うことも大切です。
園児は何でも口に入れたり、ひとりでどこかへ行ってしまったり、目が離せません。大切な子どもたちを守るには常に目を光らせておく必要があります。
幼い子は自分の行動が危険だと認識できないのでヒヤヒヤすることを平気でしてしまい、言うことを聞かせるのは困難です。
また、体調を崩しやすく、ちょっとした変化も見逃さないように気をつけなければなりません。子どもといる間はずっと気を張っている状態です。
保育士の仕事は子どもの安全や命にかかわる業務となり責任が重くのしかかります。そうしたストレスがある中、一つのことで精いっぱいになり、周りへの配慮に欠けてしまうと人間関係がギクシャクしてしまいます。
人間関係に悩んだときは、気持ちも沈んでしまいますが、できるだけ笑顔を絶やさないことが大切です。
笑顔を心がけましょう。暗い顔をしていると、余計に気持ちが落ち込んでいってしまいかねません。また、子どもも近寄りづらくなってしまいます。口角を上げるだけでも、気持ちが少し明るくなるケースも少なくありません。
保育士同士や保護者と、積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。話してみなければ、本当の人柄はわかりません。苦手だと思っていても、話すことで打ち解けられる可能性はあります。
複数担任の場合はとくに、同じ部屋の保育士とコミュニケーションを図ると、お互いの保育観や、「子どもたちをどう成長させたいか」などの方向性を共有できるので、良好な関係を築けるでしょう。
サポートしてもらったときには「ありがとうございます」とお礼を、自分が違っていたときには非を認めて「すみません」と謝りましょう。
保育士は「チームプレー」が必要になる場面が多くあります。感謝と謝罪も言うか言わないかで関係性が変わります。年齢問わず相手には敬意を払い、感謝と謝罪を伝えましょう。
悩みを抱え込んで下を向いているだけではなく、頭を上げて思い切って自分から動いてみましょう。保育についてもっと学ぶためスキルアップ研修を受けたり、先輩の保育方法を観察したり、積極的に学ぼうと取り組んでいる姿勢はまわりに刺激や活気を与えます。
自分に自信が持てれば周りの印象も変化するでしょう。相手に認めてもらうことで人間関係がよくなることもあります。新しい人間関係をきずくことにもつながるでしょう。
相手にどう思われているのか気になるものです。とは言え、相性が良い人もいれば苦手な人もいるでしょう。考え過ぎてしまうことでかえってコミュニケーションがとりにくくなります。
精神的に辛いときは悪いことばかり考えてしまうものです。本当のことは聞いてみないとわかりません。わからないことを頭の中で想像していると悪循環に陥ってしまいます。
気にしすぎないことを意識してみてください。自分から話しかけてみるのも良い方法です。話しかけるにはまだ勇気が出ないときは、笑顔で挨拶から始めてみましょう。
保育士の人間関係は、自分だけではどうにもならないケースもあります。どうしても職場の人間関係が耐えられない場合には、転職をするのも、ひとつの方法です。
転職する際には、条件だけで選ばないようにすることが大切です。転職先でも、人との関わりは必ずあります。保育士同士の人間関係が良好な職場は、働きやすく、園の雰囲気が良い傾向があります。見学できる機会があれば、見学させてもらいましょう。
2023年1月18日時点で「保育士バンク(https://www.hoikushibank.com/)」にて「埼玉県×認可保育園×20~25万円×正社員×残業なし」で検索して表示された保育園グループの内、採用に関する専用のサイトを持つ保育園グループの中から、埼玉県内の保育施設が多いものから3つをピックアップ。「働きやすさ」についてそれぞれの特色をまとめました。
14施設(戸田公園、武蔵浦和、川越レイクタウン、西川口など)
17施設(大宮、針ヶ谷、日進、北浦和、戸塚安行など)
19施設(浦和常盤、浦和美園、宮原、越谷、草加、八潮などなど)
【選定条件】
2023年1月18日時点で「保育士バンク(https://www.hoikushibank.com/)」にて「埼玉県×認可保育園×20~25万円×正社員×残業なし」で検索して表示された保育園グループの内、採用に関する専用のサイトを持つ保育園グループの中から、埼玉県内の保育施設が多いものから3つをピックアップ。
・『多様性』を重視し、1人ひとりに合った施設を提案
フロンティアキッズ(さつき保育園、つぐみ保育園など)
⇒上記条件の中で唯一、資格手当・役職手当などキャリア手当を明確にしており、なおかつ保育施設ごとに独自の教育理念・環境を提供している。
・『スキルアップ』を重視し、年60回の研修を実施
WITH GROUP/彩保育会(うぃず保育園)
⇒上記条件の中で唯一、研修制度の年間回数などの詳細を明確にしている。
・『システム化』を重視し、AI導入による業務改善を提唱
・アルタナーサリー(アルタキッズ)
⇒上記条件の中で唯一、AI導入による業務改善を提唱している。